タイミング法は何回まで?
一般不妊治療
もくじ
タイミング療法

不妊の一般的な検査で異常が見られなかった場合は、はじめはタイミング法を試されることが多いです。
ですが、年齢が原因ですぐにステップアップをすすめられる場合もあります。
以前の記事でもお伝えしたように、不妊治療のために産婦人科を初めて受診する方の80%が35歳以上という報告があります。
こちらの記事を参照してください。
そのため、タイミング法を取らず、すぐに体外受精を選択される医師も多いかと思います。
タイミング法で妊娠する確率はあまり高くありません。
受診はせず、自分で基礎体温や排卵検査薬で排卵日を予測して、その周囲で性交をしていて妊娠に至らない年月が長いカップルほどタイミング法の成功率は低くなっています。
それではどんな方に有効か
保険適応で受けれるため、年齢に余裕のある方には経済的負担も少なく受けられる治療と言えます。
また、排卵検査薬がうまく反応しない人(多嚢胞性卵巣症候群の方など)などは、排卵日の予測がつけにくいので、受診によるタイミング法が勧められます。
自己、もしくは病院でタイミングをみて性交することがなかなかできない方も多いかと思います。
その日に限って夫が飲んで帰ってきてできなかった…
なんだかめんどくさい…
仕事が忙しくて疲れてそんな気分じゃない…
その日にしろと言われてもプレッシャーで勃たない…etc
このような感じで、お互いの気持ちの行き違いで夫婦関係が悪くなってしまっては元も子もありません。
現代の日本人は、晩婚化や社会的な背景などで、性に対する興味が薄れていると言われています。
(米コンドームメーカー調べで、日本人夫婦の性交頻度は、世界最低という調査結果があります。)
その為、タイミング法が現実的でないカップルの方も多いと思います。
この様にタイミングがもてないカップルが増えている事情も不妊治療において、重大な問題であると思います。
この事は別の機会で記事にしたいと思います。
それでは具体的にどのようにタイミング法が進むのか見ていきましょう。
スケジュール タイミング法の流れ
タイミング法には排卵誘発剤を使う方法と使わない方法があります。
個人差はありますが、月経周期の10日くらいに受診をします。
この頃は月経中間期になるので排卵のために卵胞の成長が盛んになっています。
排卵の仕組みについてはこちらを参照してください。
卵胞の大きさが14㎜をこえてくると、排卵に近づいていますので、2日後ぐらいに受診する様に言われると思います。
18㎜以上になると排卵してもおかしくない大きさなので、「この辺りでタイミング取ってください」と日付の指定があります。
薬を使う場合も同様、卵胞の大きさを数見ながら指示されます。
排卵誘発剤をつ合う場合、卵胞がいくつも成長する場合があるので、多胎の危険性もあります。
薬によって、排卵を抑えたり、排卵を促したりする場合もこの時期に注射をして、タイミングを取ります。
タイミングを持った後は再度受診し、排卵のしているのか、黄体の様子を超音波検査で確認します。
排卵日から7日後にも受診し血液検査、また、黄体ホルモンの薬を処方されることもあります。
病院によっては、排卵日から14日後辺りに、妊娠判定日を設定して受診してもらう場合と、排卵日から3週間後まで生理がこなければ受診してくださいと言われる場合があります。
タイミングを持つ回数ですが、当たり前ですが、数が多いほど妊娠はしやすいと考えられています。
また、精子はできてからに日数が経ってない方が運動性が高く妊娠させる力が強いと言われているので、排卵日がわかる前から射精している事が望ましいと思います。
例えば、タイミング法で指定された日にしか性交をしない場合は、精子は古くなっているので、精子の運動性は下がると思われます。
男性は女性と違い精子をどんどん作れるので、禁欲は必要ないです。
タイミング法の回数
一般的には6回タイミング法を試みて、妊娠に至らない場合は次のステップ、「人工授精」に進みます。
回数は年齢や病院の方針によって異なりますが、最近ではもっと早い段階で次のステップに進む傾向にあると思います。
不妊治療を受けようと受診された方の多くは、ご自分で色々と努力をされてきた方だと思いますので、その辺りを加味してタイミング法の回数は決めてもいいと思います。
例えば、ご自分で回数を決めて、医師にその旨を相談してはいかがでしょうか?
医師にタイミングを取ってきた個々の苦労はなかなか伝わりません。
うまくタイミングがとれなっかたイライラだったり、憂鬱だったりは経験した者にしかわからないものです。
その辺りもゆっくり相談できないですよね?
ですから、回数は決めていいと思います。
極端な話ですが、タイミング法は飛ばしてくださいとも言ってもいいと思います。
体外受精に進んだとしても、卵胞の数が少ないなどの理由で、タイミング法を選択する場合や、人工授精などを選択するなど、ステップダウンすることもあります。
その時に合わせた治療を身体と医師に相談しながら、流動的に決めていくものだと思います。
費用
タイミング法の費用は保険適応なので、自己負担金は一回、数千円程度です。
受診回数、血液検査等によって変わりますが、1周期で3千円〜1万円になります。
しかし、排卵誘発剤などを使用した場合1周期あたり1万円〜2万円かかります。