排卵する卵子は半年前から準備しているんです!

卵子の形成

卵子発生

卵子たちはどのようにして成長するかご存知でしょうか?
卵子の原型である卵祖細胞は胎児期に作られ、少し成長して(減数分裂)休眠状態に入ります。

そう女性なら、お母さんのおなかの中にいる時に卵祖細胞は作られているんです。

それでは詳しく説明していきましょう。
聞きなれない言葉が出てきて、分かりにくいこともあるかと思いますが、下の図を参照しながら、お読みください。

卵子が形成する過程は、卵胞と核の双方の成長から成り立っています。
人の細胞核の中にある染色体は常染色体22組+性染色体1組、合計46本です。
卵子または精子が同じ数の染色体を持っていたら、合計92本になってしまいます。
ですから、あらかじめ自己の染色体の数を半分にしておく必要があるのです。
これが減数分裂と言います。

ここまでの過程を自身が胎児の時に開始し、休眠状態になります。
これが一次卵母細胞と呼ばれます。

女性の性染色体はXX、男性の性染色体はXYで、減数分裂の際にできた男性のXを持つ精子とYを持つ精子で性別が変わるという事です。

厳密に言うと、減数分裂は胎児の時に開始されますが、一時中断した状態で休眠しています。

この一次卵母細胞は女性は出生後には新生されません。
卵子の数が決まっていると言うのはこいった理由なのです。

一次卵母細胞が形成される時、卵胞細胞層が形成されます。
この卵胞細胞層に包まれた一次卵母細胞を原始卵胞とよびます。
卵胞の中に腔(卵胞腔)ができ、卵胞液がたまってくると第二次卵胞とよばれ、排卵直前のものを第三次卵胞とよびます。
先に述べたように、排卵の前に一次減数分裂が完了します。

排卵するまでの期間

この一次卵胞までの過程は卵巣内で起こり、脳からのホルモンの影響は受けません。
そしてこの一次卵胞になるまでに、約3ヶ月かかると言われいます。

二次卵胞とよばれる段階になると、脳からのホルモンに支配されるようになり、排卵が起こります。
一次卵胞から排卵するまで約3ヶ月かかり、合計で6ヶ月かかってやっと排卵します。

ところが、ホルモンの影響などで、卵胞が育たない月、排卵しない月などがあり、必ずタイミングよく卵子が育つわけではありません。

卵子の数

女子新生児の卵巣には200万個の一次卵母細胞がありますが、多くは小児期間中に消失し、ほんの4万以下が思春期まで残るにすぎません。
その中の400ぐらいが二次卵母細胞となり、生殖周期の期間内に排卵するのです。
また、排卵する卵子は大きさで排卵するので、必ずしも質の良い卵子だとは言い切れません。
毎日、卵母細胞が目覚め、たまたま生殖周期にタイミングがあって、ホルモンの影響をうけて大きくなった物しか排卵できません。
なんだか、切ないですよね。
タイミングが合わない卵子もいるなんて・・・

このように、卵子は、私たちが母親のおなかの中にいる時に、元が作られ、受精する準備をし、眠って目覚めてから半年もの期間をかけて成熟しています。
とてつもなく長い旅で、また母との生命の繋がりを感じさせられます。
卵子は受精が起こってはじめて成熟を完結させます。
とても神秘的ですよね。

次回

排卵するのは1つだけ。なぜその卵子なの?
卵子の質
について書きたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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