排卵するのは1つだけ。なぜその卵子なの?

排卵

前回の卵子の形成で説明したのは、排卵するまでのお話でした。
今回は排卵するまで、また、なぜその卵子が排卵されるのかを説明したいと思います。

二次卵胞になると脳からのホルモンに支配され、成長していきます。
言い換えれば、ホルモンの作用がないと排卵に至らないと言うことです。

二次卵胞は脳から分泌されるFSH(前回記事参照)により成長が加速します。
毎日、原始卵胞が目覚めていますが、FSHの影響を受けて卵胞が成熟に向かうのは、若い人で10個、高齢になると数個が平均的だと言われています。

では、なぜ排卵する卵子が一つしかないのか?
それは、ある時点で一番大きくなっている卵胞が排卵に向かうように決定され、その時点からFSHの分泌量は減っていきますが、選ばれた卵胞だけFSH感受性が高まりさらに成長するのです。
選ばれなかった一緒に育ってきた卵胞は、しぼんでいってしまいます。
人は、進化の過程で、多胎にならないための仕組みが備わっていると考えられ、排卵する卵子を一つに絞っていると言われています。

お気づきになられた方もいらっしゃるとは思いますが、ここで選ばれる卵子は、卵子の質ではなく、大きさなのです!

ここで治療の話をします。
先にも述べましたが、質は関係なく一番大きい卵胞だけがFSHに対する感受性がますます大きくなります。
しかし、他にも一緒に育ってきた卵胞の中には大きくはなれなかったけれど、もしかすると選ばれた卵子よりも、質がいいかもしれないわけです。

そう、選ばれた卵胞の他の卵胞も一緒に成長させるために、排卵誘発剤使われます。
排卵誘発剤の成分は、FSHやLHと同じで、この薬を身体に入れることで、他の卵胞も育つのに十分なホルモン量を保つことができます。
大きいからといって、質がよいとも、妊娠できる卵子とはかぎりません。
2番手、3番手の卵子にもチャンスを与え、なおかつ多胎を防ぐための治療が体外受精になるのです。

最後までお読みいただきありがとうござました。


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