排卵の仕組み
排卵はどうして起こるのか?
もくじ
女性の生殖周期は卵胞が育つ→排卵する→月経がくる
を繰り返しています。
その過程で、ホルモンや、子宮の組織が連携して排卵を助け、妊娠するための準備を整えています。
排卵の時期などは分かるけれど、どのように起こっているかご存知ない方も多いと思います。
排卵のメカニズムを知っていると、「ああ!そういう事か」と思えるはずです。
排卵について詳しく説明したいと思います。
排卵まで
卵胞が育ってくると、エコーでも見えるようになります。刺激(排卵誘発剤)をしている方は沢山見えることもありますが、通常は1つです。
排卵までの卵胞の成長はこちらをご覧ください。
排卵は一般的に、月経がはじまって14日頃(月経中間期)と言われていますが、人によって様々で、内診の超音波検査による、卵胞の大きさの測定と、血液検査のLH値によって、排卵日がわかります。
排卵が近づくと、卵胞の大きさは18〜20㎜になり、排卵直前にはさらに大きくなるといわれます。
ご家庭では、おりもの(頸管粘液)の増加や、排卵検査薬の尿中LHのチェックで大体の排卵時期を予測することができます。
人によっては排卵痛などで予測できる方もいらっしゃるかもしれませんが、確実ではありません。
排卵
月経中間期にはFSHとLHの影響の下に、成熟卵胞は急速の発育をとげ、膨らみ、卵巣表面に盛り上がります。
これを卵丘とよびます。(図-A)
この盛り上がった所に卵胞斑ができ、その部分が破れて(図-C)、二次卵母細胞が卵胞液とともに排出されます。(図-B)
この時、LHは急増しています。
その為、尿中、血中のLH値は上昇するのです。

卵管采は卵巣に接近して、卵巣を覆うようなかたちになります。
手の指のような形状の卵管采が卵巣の上を行ったり来たりして、二次卵母細胞を卵管に流し込み、卵母細胞は卵管膨大部まで移動していきます。
卵管の内側は絨毛上皮(毛のような繊細な突起)それが波打って卵管膨大部まで運びます。
排卵後まもなく、卵胞壁と卵胞膜はつぶれて折りたたまれ、LHの影響の下、黄体と呼ばれる腺組織になります。(図-D)
黄体
黄体は着床の準備を子宮内膜に起こさせるホルモンを分泌します。
そのホルモンがプロゲステロンです。
排卵がないと、黄体形成が起こらないので、子宮内膜の変化は起こりません。
妊娠が成立しないと、エストロゲン、プロゲステロンの血中濃度が低下し、子宮内膜が後退して、次の月経が開始されます。
まとめ
このように、卵子の形成から排卵も様々な機能が関わっていて、何か1つ欠けると、妊娠の成立が難しくなります。
不妊治療を受ける際、このような女性の生殖周期を知ることで、「この検査はこれを知るためなんだな。」
など知っておくと戸惑いも少ないかと思います。
受診していると、待合室に多くの方がいて遠慮をしてしまい、聞きたいことも聞けないことは多々あると思います。
分からなくて当たり前なので、聞くことは恥ずかしい事ではないと思います。
でもやっぱり聞けない事が多いですよね、、、
少しでも知識があると、先生の説明も理解しやすく、治療も受けやすいのではないかと思います。
要所要所にリンクが貼っていますので、よろしければそちらもご覧ください。
これからも、少しずつですができるだけ分かりやすく、色んなことを書いていきたいと思っています。
皆様の不安が少しでも解消しますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。